石窯

初めて石窯というものを知った時から強く惹かれていました。ピーセン・ピースのわが家に引っ越して、工房の移設も終わった頃です。 石窯に強く惹かれた理由の一つは、ファーストフード全盛のこの時代に、もっと原始的なじっくりと時間をかけて作ったものを食べたいという欲求です。火を自由自在に操るという技にも男のロマンを感じます。 もう一つは アーチです。鉛直に作用する重力の方向を巧みに変えてやってアーチにするという技に男のロマンを感じます。ですから今回の石窯にはアーチが不可欠でした。アーチのない石窯なんてドールくんのいないベルリン・フィルみたいなもので魅力半減です。 さて、実際やってみれば、石窯でパンを焼くというのはそんなに難しいものでもありません。 1.捏ね終わって一次発酵させる頃にぼつぼつ火をつけます。まだまだ先は長いので急激にガンガン燃やす必要はありません。ちょろちょろ~中火くらいで工房でできた木ぎれをメインに燃やし過ぎないように燃やします。燃やし加減の調整は煙突のダンパーと窯口の蓋で行います。 2.一次発酵が終わり、ベンチタイムが終わった頃に、薪をつめてこんどはがんがん燃やします。何度かやっているうちにだいたい思ったように燃やせるようになります。 3.この時に詰めた薪がおき火になるころに二次発酵が終わればいいのです。 この時の窯の温度が重要らしいのですが、これを正確に計る温度計を持っていません。手を入れて一秒しか我慢できなかったら300℃、二秒我慢できれば200℃という、じつにあやふやなやりかたでやっています。これも安易に温度計にたよるのではなく、何度かやっているうちに温度は何度か分からないけど、フランスパンを焼くならこの温度というのがなんとなく分かるようになりたいと思っています。 |
参考図書:手づくり石窯BOOK 中川重年編 創森社 1,575円
 | 2010年5月31日 夕方になってやっと着工できました。 まず、焼過ぎ煉瓦(100×210×60)でベースを作ります。 サイズは98cm×98cmです。 テンプレートを作って位置を決めました。 |
 | 6月5日 少しずつ積んで行きます。 多少出たり入ったり凸凹した方が味があるかと思い、 丁張りなしで積むことにしました。 後ろ側は壁を繋ぐかどうか迷いましたが、繋がないことにしました。 |
 | 6月19日 1日に2・3段ずつ積んで、予定の段数(11段)に達しました。 |

| 6月20日 合板と端材でアーチの支保工を作り、セットしました。この上に半分に割った煉瓦を並べます。 アーチの半径は1.65mとしました。 |

| アーチができました。モルタルが固まる まで3日ほどこのまま養生します。 |
 | 6月26日~27日 プレキャストのコンクリート版(990×300×60×3枚、990×200×60×1枚)を乗せ、その上にフランス煉瓦(105×220×55)を並べました。 かなり以前にホームセンターの在庫調整で安くなっていたのを買っておいたのがやっと役に立ちました。 思ったよりかなり重厚なイメージになりました。 |
 | 6月27日 いよいよ窯本体に取りかかります。内径φ640です。 手前の白いのが耐火煉瓦SK32(114×230×65)です。 耐火煉瓦は直接三石の煉瓦工場まで直接取りにいきました。少量でしたが親切に対応して頂きました。 丸鋸にダイアモンド・カッターを付けて切断しています。 |
 | 7月3日は雨で作業中止。 7月4日 大谷石(厚さ6cmで窯床(60cm×69cm)を作ります。 |
 | 7月4日 3ラウンド目に入りました。 ここから上は耐火煉瓦です。 両側と奥に空気の通り道として3cmのスリットを 設けました。 耐火煉瓦は固く、安物のダイアモンド・カッターだと すぐだめになってしまうので、煉瓦タガネで割ること にしました。 |
 | 7月8日 日没が遅いので仕事帰りに4ラウンド目を並べてみました。 |
 | 7月10日 窯口のアーチの支保工をセットし、横セリY2とY3を組み合わせてアーチを積みました。 窯口の幅を40cm確保するために、アーチの半径を20cmとしました。 |
 | アーチの内側です。 大谷石をのせるあごを加工しています。 |
 | ドーム全体をアーチにすると大変なので、持ち送り式 にしました。 棒でささえながら煉瓦を積んでいきます。 |
 | 一気に7ラウンド目まで積んで大谷石のトップを乗せました。 久しぶりに邪魔が入らず朝から晩まで作業できたので驚くほどはかどりました。 |
 | 7月18日 プチ・ブリックの煙突が完成しました。ダンパー用の穴が開いています。 |
 | 下から3段目までプチ・ブリック(50×60×100)で巻きました。ここまでは円筒です。 |
 | ドーム型にモルタルを塗りました。真っ暗になったので作業終了。 |
 | 7月19日 耐火煉瓦は雨ざらしにするとよくないということなので、窯口のアーチの外側をプチ・ブリックで巻きました。 明るい時によく見るとドームが微妙にいびつになっているので少し修正しました。巨大な地球儀? このままモルタル仕上げでもよかったのですが、全部プチ・ブリックで巻き立てることにしました。 |
 | プチ・ブリックがなくなった(ホームセンター在庫切れ)ので不本意ながら作業終了。 |
 | 7月24日、25日 やっと注文していたプチ・ブリックが入りました。 張り切って作業再開し、難なく巻き立て完了。 まるでアルマジロ? |
 | 内部です。 耐火モルタルを手で塗りつけています。 煉瓦の下側の角を斜めに削り取っているので、だいたいドームのようになりました。 |
 | 窯口の蓋と煙突のダンパーを大谷石で作って完成。 総重量:約1.4t 材料費:約8万円 作業時間:64時間 久々の大作です。 火を入れるとすぐにススで真っ黒けになってしまうので、きれいなうちに1枚撮っておきます。 |
 | 8月1日 ピザ用にピールを作りました。 材料はアルミ板t=1.5mmを使いました。やや薄目です。窯の中では高熱のためにふにゃふにゃになるので、もう少し厚くするかステンレス等の堅い素材を使う必要がありそうです。 |